November 3
私は画力で人をひきつけたいという絵が好きな人なら誰でも少しはもっていそうな野心を極力おさえてもらっていました。新人時代、萩原一至さんの原稿を当時担当のT氏から見せてもらったからです。正直言って絵では絶対かなわないと思いました。しかし「できれば全部一人で描きたい」という理想はすてられませんでした。幽遊白書の連載中、何回か一人で原稿を上げたことがあります。全てストレスがピークに達している時です。理解してもらえるかわかりませんが、原稿が満足にできないことによって生じるストレスを解消する方法が「一人で原稿を仕上げること」なんです。その結果その週の原稿は惨々たるものでした。背景も人物もほとんど一人で描きました。後半の2話はあるハガキの批判の通り、落ちる寸前の半日で19枚仕上げたものです。プロ失格かもしれませんがそれでも自己満足していました。すでにその時「人がどう思おうがどんなに荒れた原稿になろうが一人で描きたいもんは描きたいんだ」という気持ちを押さえる理由が失くなっていたのです。残念ですが幽遊白書のキャラクターで出来ることは、商業誌ベースではやりつくしてしまいました。あとは出来上がったキャラクターを壊していくか、読者があきるまで同じことを繰り返すしか残っていませんでした。この本でやったようにキャラを壊す試みはジャンプでは当然没になりました。同じことをくり返すに耐え得る体力ももうありません。そこで常々思っていたことを実行しました。「もしジャンプで長期連載が出来たら自分の意思で作品を終らせよう」アンケートの結果が悪ければ10週で打ちきりというシステムは承知でジャンプにお世話になりました。逆にそれがはげみとなり、「読者の反響」を意識することで色々勉強ができました。しかし、それを全く考えないで自己満足だけのためにマンガ描きたくなってしまいました。その結果できる作品がジャンプ読者のメガネにかなうとはどうしても考えられませんので挑戦を放棄します。今までの文章を要約します。
わがままでやめました。すいません。
わがままでやめました。すいません。